■「その仕事に、その学問に、なんの意味がある？」

僕は国語の教師ですが、「なんのために国語の授業をしているか？」「学校ってなんのためにあるか？」ということについて、最初から自分の考えを持っていたわけではありませんでした。

でも、みなさんは、まだ高校生なのに、「自分のめざす仕事には、何の役に立つか？」、「自分が学ぶ学問にはどんな意味があるか？」ということについて考えなければなりません。

春休みの課題の１つである「志望理由書」を書くとき、みんなが悩む「社会貢献」という部分のことです。むずかしいだろうけど、考えてみる価値のあることですよ。

人は、「自分のやっていることの意味」が分からないと、「やってらんねー」ものです。例えば、「自分のやっていることが誰かの役にたっている」、「よろこんでくれる誰かがいる」、「自分のやっていることは、世の中に絶対に必要だ」という「意味」を考えることは、生きていくうえで重要なのです。

そして、それは、だれかが絶対の「正解」を持っているわけではなく、自分で考えていくべきものです。

みなさんの高校生活に充実感がないとしたら、「自分はなんのために、毎日学校にきて勉強しているんだろう」ということに、答えを持っていないからかもしれません。

もちろん、これからの勉強は、自分の目指す進路を実現するために、とても重要なものとなるでしょう。「今、自分は自分の人生を切り拓くために努力している！」という手応えをもって、最後の高校生活を輝かせてください。

ただし、もし勉強することが、単にテストで点数をとって高校卒業の資格を取るため、またはいい成績をとって行きたい大学に進むため、でしかないとしたら、結局は、むなしいことだとも思うのです。

自分にとっての勉強の意味を考えてみてください。もし、「意味ない」という結論になるなら、人生の無駄遣いだから、やめるという選択肢だってあると思います。

自分の行動の意味を考えることができることが、「大人になる」ということです。みなさんが、それぞれに勉強の意味をしっかり持って、イキイキした顔で授業を受けられたら、それが理想ですね。

先日の保護者対象進路研究会には、多数の方にご出席いただき、ありがとうございました。会でもお話しましたように、生徒は春休み明けに「志望理由書」を完成させるべく、努力しています。ご家庭でも、話題にしていただき、興味・関心の具体化についてアドバイスをいただければと思います。

この志望理由書は、今後の進路を指導していく上で大変重要なものとなりますので、お子様に必ず提出するようご指導くださいますよう、よろしくお願いいたします。