第1学年通信web版
と び ら
つくば秀英高等学校22期生
2016年9月13日発行
生徒エッセイ 今月のテーマ:「嫌いなもの」

今月のスナップ  林間学校


緑の侵略者
Kくん−2組−

自分が大嫌いなのは、アゲハ蝶の幼虫です。

あの太くて絵の具のような緑色をしていて、偽物の目をしているやつです。

あれは自分が小さい時のことでした。自分の家の庭には、オレンジの木があって、毎年夏になると幼虫がくっついています。 小さい時から自分は幼虫が嫌いだったらしいですが、一度お母さんがそんな幼虫嫌いを直させようと無理やり触らせたのです。 するとやつは偽物の目で自分のことをにらみ、黄色の変な角のようなものを出してきたのです。 そしてなによりも触れたときの感触がソーセージとこんにゃくを合わせたような感じで、思い出しただけでもきもち悪くなります。

自分がなぜこんなに嫌いかというと、見た目がほぼだと思います。実は自分はモンシロ蝶の幼虫は全然大丈夫なんです。 小さくて、エメラルドグリーンをしていて、正直かわいいと思っています。しかしやつは、大きくて人工的な色をしていて、それがダメなんです。 どのくらいダメかというと、ドラクエの敵キャラでキャタピターという、あいつにそっくりなモンスターがいるんですけど、そいつがでてきたら電源をすぐ切ってしまうくらいダメなんです。

だから二次元でもダメだということは、見た目なんです。別に人間に害があるあるわけでもないのに見た目がダメなんです。 正直これまでアゲハの幼虫のことばかり言ってましたけど、似たようなイモ虫も無理です。この幼虫嫌いのことを改めて考えて自分の悪い所がはっきりとしました。 自分は、人も動物も見た目で好き嫌いが左右されやすいということです。中学時代の親友は話すまでは不良だと思っていてあまり接点がありませんでした。 しかも自分は人とコミュニケーションをとることが嫌いなので、どんどん人のことを知る機会が無くなりました。 だから、高校では見た目ではなく、中身で好き嫌いを判断していこうと思いました。 自分を変えてくれて、アゲハの幼虫ありがとう。それでも嫌いだけど。


嫌いなもの
Yさん−8組−

私の嫌いなものは夏と冬です。特に、夏休みと冬休みの時期が嫌いです。 なぜかというと、夏休みでいろんな学校が休みになり、海開きが始まったりすると必ずそこには、リア充がいます。 リア充はとてもたくさんいて、目の前でどうどうとらぶらぶします。 海にかぎらず、私が行くところには必ずたくさんのリア充がいて、ショッピングのところにも、レストランにも、外を歩くだけで手をつなぎとても楽しそうに笑っているリア充がいます。

そして冬には、そのリア充がもっとらぶらぶしだします。 冬なのにミニスカートなんかはいて、彼氏に「さむーい」とか言って一緒にマフラーして喜んでいるリア充を見ると、さむいなら外出しなければいいだろ?とか、ミニスカートはかなきゃいいだろ!?とか思ってしまいます!!

リア充がらぶらぶしだすので、夏と冬が嫌いです。


嫌いなものになる可能性
Mさん−3組−

私が嫌いなもの、それは「大人」である。いや、これでは少し誤解が生まれる。正確には「自称大人」が嫌いなのだ。 自分が「大人」であると錯覚し、ふんぞり返り、子供を見下し、最後には子供の未来を根こそぎ奪っていく「自称大人」が。

そもそも、私の中で「大人」というのは、自分の弱さを認められる人間のことを指す。 自分の弱さを理解し、受け入れたのなら、私はその人が小学生だろうが、中学生だろうがその人を「大人」と呼ぶだろう。 無論、時間をかけなければ自分の弱さなんてものは見えてこないので、年が上になるほど「大人」は増える。 だが大きい「子供」も多く存在する。

さて、私は「自称大人」と書いたが、これはそのままの意味である。 自分の弱さを受け入れるというのがどれ程難しいことなのか私もそれなりに理解しているつもりだが、開き直り、見ないふりをして、逃げて「大人」を名乗る。 この人達を私は心底軽蔑している。子供なりに戦っている人には敬意を送るし、勇気をもらえるが、「自称大人」に関して思春期が始まったころに生理的に無理になってしまった。 少し困る。この世にどれほど「自称大人」がいるのか、考えただけでも身震いがするというのに。

しかし一番心配なのは、自分が「自称大人」になってしまった場合である。 そんなものになるくらいなら「子供」で後ろ指をさされていた方がマシだと思うのだが、形だけの「大人」になってしまったとき、私が私の嫌いなものになってしまった時、私はどうなるのだろうか。


嫌い
Fくん−5組−

僕は「自分が一番だと思っている人」が嫌いです。それは何ごとにおいてもです。知識量、運動のことなど、他にも沢山あります。

ですが、これは仕方がないことだと思います。僕も「コイツよりはできる」と思ったことがなん回もあります。 ですが、思ってしまうことはあっても、口に出したりする必要は無いと思います。 口に出すことによって、不快にさせたり、または自分も不快になってしまいます。

ここで言う「自分が一番だと思っている人」というのは、「自己中心的な人」や「すぐ比べたがる人」と似ていると思います。 僕はここで挙げた3種類の人は「嫌い」と同時に、「可哀想」だなと思います。 もっと視野を広げればもっと一番に近づけるし、もっと好かれる人になれると思うからです。そして、不快になる人も減るのではないでしょうか。


教員エッセイ
「嫌いなもの」
 
天敵
稲葉 弘法 −7組担任−

まず始めに今回エッセイを担当することになり気付いたこと。 誰にでも嫌いなことや苦手なことはあるが、私にとって嫌いな人・物だとしても人が違えば、それが大好きなこともある。 その人のそれまでの生き方の中で培った経験から好きなことも嫌いなことも生まれてくる。そこで、ふと思った。 実は意外と自分と全く正反対の人・物を好きになる人ほど、自分とのギャップやものの考え方の違いに対して魅力を感じることがあるのではないか。 また、こうも思う。本当に嫌いな人、目を合わせることも話もしたくないと思う程の人も時にはいるが、意外とそういう人ほど自分と性格が似ていたりするものだ。 実に面白いと感じるのは私だけだろうか。不思議でならない。

さて、本題に入ろう。私が嫌いな物。真っ先に挙げられるのは動物。特に犬が大嫌いだ。犬好きな方々、ご容赦下さい。 何故嫌いになったのか。先述の通り、これまでの経験からくることだが小学生の頃に犬に追いかけられ噛まれたことがある。 それ以来、犬が大嫌いになり、一人で自転車に乗っているときに遭遇すると妙にゆっくり走ってみたり、全速力で漕いでみたりしてその場を切り抜けてきた。   

今、私はマンションに住んでいる。最近のマンションはペットを飼うことが許されていることが多い。それを知らなかった。 多くの人が犬や猫を飼っている。毎日ビクビクしながら生活をしている。この間もこんなことがあった。 私がエレベータに乗ろうとした時、後ろから住人の方がきた。その方はとても親切な方で犬を連れていたので「先にどうぞ」って言ってくれた。 すごく良い方だなって思ったが、何故か私は「一緒にどうぞ」って言ってしまった。たった数秒間の我慢だし、大丈夫だろうと思った。 しかし、エレベータ内でその犬と目が合う。飼い主さんは前を見ているから気付いてくれない。 絶体絶命のピンチ、噛まれたらどうしようと言う昔の思い出が蘇る。鬼気迫る思いとはこういうことなのか。逃げる場所はない。 さてどうする。オドオドしていたら噛まれてしまうのではないかと思い、とっさに思いついた作戦は、作り笑顔でニコって笑ってみるという至って単純なことだった。 すると犬が目をそらした。なんか勝った気分だった。妙に嬉しい。共に死闘を演じた犬が飼い主さんと先に降りる。 思わず私はこう告げる。「かわいい犬ですね」私は嘘をついてしまった。思ってもいないのに。このマンションに住む限り、エレベータ内に天敵と閉じ込められる恐怖は今後も続く。



《保護者の方へ》
■文理選択へ向けて

1学年の進路上の最大の課題は、「文理選択」です。 2年次以降、文系の科目を選択するか、理系の科目を選択するかを決めるためには、単なる科目の好き嫌いではなく、将来の職業や大学での学問分野を見通す必要があります。 大人の視点から、押しつけるのではなく、ぜひお子様自身が決断をするためのよき相談相手になっていただければと思います。

文理選択に向けて、次のプログラムを用意しています。
○9月7日(水)進路講演会(リクルート)
○9月14日(水)職業理解ワーク
○9月17日(土)職業人講話(全17講座)
○10月15日(土)文理選択説明会/保護者対象進路研究会
○10月18日(火)サイエンス・ツアー
○11月16日(水)大学見学会(AB、SP)
○12月10日(土)実力テスト(AB)
※ アンダーラインについてはぜひ保護者の方もご参加ください。


9月の予定

7日(水)進路講演会(7h)
10日(土)S:学習日
15日(木)キャリア探究講座(幼児教育)
17日(土)職業人講話
19日(月)敬老の日
22日(木)秋分の日
24日(土)S:学習日
28日(水)スタディーサポート(AB,Sp)
30日(金)創立記念日

編集後記

●林間学校、楽しかったですね! 僕自身もかなり楽しみました。いい学年ですよ。
《キャンプファイヤークラス出し物受賞》
優勝:8組
準優勝:5組

●最近、受験においても、「主体性」が求められるようになってきました。「主体性」とは、「自分から」という気持ちのことです。自分から興味を持って、いろいろなことを学び、成長しようと思って取り組めたら、脳内シナプスがつながりまくりますよ。「主体的学び」を、興味のあること(科目の勉強でも、本でも)から、始めてみましょう。


(福田)