第1学年通信web版
と び ら
つくば秀英高等学校22期生
2016年10月4日発行
生徒エッセイ 今月のテーマ:「林間学校を終えて」

今月のスナップ  職業人講話

9月17日(土)に、職業人講話が行われました。様々な分野のプロの方々にお話をいただきました。思い描いていたイメージを超えた内容に、みな驚いていました。


◇◆講師の方々のお話を聞いて◆◇

保育園経営

4組  Fさん

私は子どもが大好きで、将来は保育という仕事に携わりたいと小さい時から思っていた。 今回この講座に参加して、三上先生の言葉があれほど心に強く響いてきたのは、自分の職業について誇りを持ち、自信をもって働いているからなのだろうと思った。

お話の中で、保育士になるには様々な方法があることを聞き驚いたが、一番心を惹かれたのが「モンテッソーリ教育」である。 初めて聞く名前だったが、有名な教育方法の一つということだった。そして世界でも、この方法で育てられた人々が数多く活躍されていると聞き、さらに興味がわいた。 そこに携われたらと思うと三上先生と同様、私もワクワクする思いがする。

今後、将来を思うとき、先生のように自信や誇りを強く持つことのできる仕事を考えていきたいと思います。

ソフトウェアエンジニア

3組  Mさん

チケット購入、予約、スマホでATM、ゲーム、Google、You Tube、メルカリ、Iconなど、それぞれの課題を見つけてより使いやすくしていくという仕事に、私は改めて感謝することがありました。 私はよくGoogleやYou Tubeを使います。ソフトウェアエンジニアの人はレビューや社内ヒアリングなどの意見を聞き改善するということを初めて知りました。 また、プログラムを作る際に、チームで何度も話し合いをして、実現していくことはとても大変だなと思いました。 最後はテストを行い、その後も検証、改善を繰り返しする仕事のおかげで普通に使えていると思いました。 多くの人に使われること、ユーザーの反応、完成した楽しさが大きなやり甲斐であると聞いて、ソフトウェアエンジニアの仕事は面白いことがたくさんあると感じました。 勉強することは大嫌いですが、数学と英語は必要と聞いたので頑張ってみようと思いました。アプリやサイトを使って世の中の人が利用してくれる仕事に興味を持ちました。

作業療法士(理学療法士・言語聴覚士)

7組  Wさん

リハビリテーション専門職の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の話を聞くことができました。 どれも貴重なお話で、その中でも作業療法士の仕事は、私が思っていた以上に幅広い仕事がありました。 作業療法士は病院に勤務しているというイメージが強かったのですが、それ以外にも担当した人の家へ行き、 日常生活をしながらその人に合った工夫をしてリハビリをするということや心のケアなども同時にするということが分かりました。 手が麻痺してグーになってしまった人にリハビリをして、再び料理を作れるようにしてあげたり、 妻が認知症で夫が耳が聞こえないという老夫婦の間に入り、けんかがたえない二人とたこ焼きを作り意思疎通をとったりと、他にもいろいろなお話をしてくださいました。 私たちの見えない所で、そのようにお年寄りや体の不自由な方を支えるこの仕事はとてもかっこいいと思います。 また、体の不自由な方の体の体験では、右のお尻だけで座り、足をあげて逆側にある水を取ろうをするのですがうまく取れませんでした。 立つこともできませんでした。私が普段している行動ができないのはとてもつらいことだと思います。たとえ片腕、片足でも、一つでも欠けたらとても大変なのだと思います。 それを支えるこの仕事は本当に尊敬すべき仕事だと思いました。



林間学校を終えて
Wさん−7組−

林間学校を終えて私は、楽しかった、おもしろかった、と思う反面悲しかった、という気持ちにもなりました。 なぜ悲しいかというと、福島の被災地に、さまざまな形でふれあい、感じたからです。 私達7組は福島の楢葉町という所をバスでまわりました。 しかし楢葉町には、作業服を着て作業をする人以外の人はほとんどみあたらず、とても静かでした。 以前はにぎわっていたであろうサッカー場は、作業員の駐車場へと変わりはて、あちらこちらに見える家々には人影はありません。 最後に私達は楢葉町にある高台に上がり、楢葉町を見おろしました。 そこから見えたのは、海と青々としげった草と青いシートをかぶせられた汚染物だけでした。 少し先に家はあるものの、くずれかけており、人が入れるような状態には見えませんでした。 震災から5年がたち、震災前、家があったであろう場所は、津波で流されて、瓦礫となり、そして、瓦礫が回収されて、 緑のシートに包まれて、元々家があった場所には原っぱができていて、本当に悲しいことだと思いました。

さらに3日目で行ったアクアマリンふくしまでは、そこで撮影された津波の映像を見ました。 本館にたくさんの水がおしよせてくる様子は、とても衝撃的でした。 あんなにも短時間で、たくさんの大切なものが流されてしまっており、福島の方々はどのような気持ちであったのだろうかととても考えさせられました。 昨日あった家も、大切な物も、時には命さえも流してしまう津波。 私は福島のさまざまな場所へ行き、津波の本当の恐ろしさを知らされました。 そして今ある時間と場所がどれほど大切かを感じました。

今回の林間学校は私にとってとても良い思い出であり、良い学習の場でした。 これからこの体験を生かして生活していきたいです。


林間学校
Nさん−4組−

2泊3日の林間学校。行く前の私は「あーだるい。行きたくないなー。」と思っていましたが、今はもう一度林間学校行きたいと思うばかりです。 そう思えるのは、周りの仲間や友達、先生のおかげだと思います。

私が心に残っていることは3つあります。

1つ目は、五色沼での事件です。私は友達と2人でボートに乗りました。 でも、私もゆずるもこぐのが下手くそでグルグル回ってるだけでした。 やっとコツがつかめたと思い、調子に乗って遠くの方まで行ったんです。 そして事件は起きた。。。帰れなくなったのです。こぎ方を忘れてしまい、またグルグル回るばかり。 30分と決められていた時間も過ぎてしまって、私とゆずるは必死に叫びました。

「助けてー!! SOS!!!!」

そしたら、ボートやさんのおじさんが助けに来てくれて無事帰還することができました。

2つ目は、震災のときの話をしてくれた案内人さんです。 その人の話を聞いている時、私は涙が出そうになりました。 まだまだつらい思いをしている人がいるコトを知り、何か力になりたいと強く感じました。

3つ目はキャンプファイヤーです。すごいとしか言いようがないくらい本当にすごくてずっと鳥はだが立っていたの忘れません。 あの一体感やみんなのきずなの強さ、私はみんなと同じ空間にいれて幸せでした。青春でした。

この林間学校では、人の優しさや感謝の気持ち、みんなで協力する大切さ、仲間の大切さ、そしてどれだけ秀英のことが好きなのか改めて気づけました。 もちろん嫌なこともたくさんありましたが、それもそれで良い思い出だと思います。

一生の思い出です。ありがとうございました!!!!!


林間学校と震災
Tさん−3組−

私は林間学校の1日目、楢葉町へ行き、震災体験を聞き、復興がどれだけ進んだかをこの目で見て聞いた。 その話や様子は5年前の時間を思い出させる内容で、その時小学生だった私でもちゃんと覚えているものだった。 学校にいて映像を見て資料を見て勉強することの何倍と言っていいか分からないくらい印象に残り、とても怖くなった。 語り部さんは実際に避難生活を送った方で、避難で体験したことなど、今まで聞いたことがないことも聞けてよかったと思う。

2日目は安達太良山に登った。筑波山とはまったく違った。A+コースを選択していたが、台風の影響で、違うコースになった。 最初の道から滑りやすくなっていて、そこからとても大変でつらかった。山頂近くで実際に火口を見て、森林限界も感じた。 本当に草と石と岩と砂、土しかない所を実際に見て、今までそこまで登ったことがなかったから、とても迫力があった。 安達太良山山頂は雲より位置が上でとても良い景色が見えた。そして達成感がすばらしかった。 今までに感じたことがないくらい、達成感がすごかった。上は体感温度が低いのが分かり、風も強かった。 上は草もほとんどなく、石と岩だった。私は今回の登山経験で山が好きになった。

最終日はカヌー体験をした。とても静かな所で、ペアで力を合わせないといけないという、登山とはまた違う体験をした。 水が目で見るより冷たくて、透明で気持ちよかった。

アクアマリンふくしまでも震災の津波について勉強した。映像で津波がきていた所を自分の目で見ると、なんともいえない気持ちになった。

自然災害は止められないが、2次災害なら工夫すれば少なくできると感じた。 これから日本は原子力をどうするか、という課題があるが、よく考えていくべきだし、私達もちゃんとした意見を持つべきだとあらためて思った。


教員エッセイ
「林間学校」
 
自分の高校生時代の林間学校
(臨海実習)について書きます。
川喜多 麻里 −3組担任−

私の母校には林間学校の代わりに臨海実習というものがあった。 千葉県内房の合宿所に泊まり込んで、朝から晩までひたすら泳ぐ、というもの。 最終日には横3×縦数十人の列になって遠泳をする。あれは本当にきつかった。

きつかったことその1。海までの道路沿いを、スクール水着姿で歩くこと。 名前が大きく書かれた白い水泳帽も必須。恥ずかしいなんてもんじゃない。道路を走る車からめちゃめちゃ見られてる(気がする)。 海辺の町だし、水着姿の海水浴客なんてたくさんいる。でも、自意識と虚栄心たっぷりの高校生当時、恥ずかしくて泣きそう。 あぁ、ちょっとでもダイエットしておけばよかった。スタイルの良い友人を恨めしく見ながらその陰に隠れて歩いた。

きつかったことその2。泳げない。クロールや背泳ぎはまぁ、どうにか、なる。25mプールでおぼれない程度には。 でも、平泳ぎはどうにもならない。 小さいころ、父親に両足をつかまれたまま腕だけで泳ぐ、というスパルタ(?)水泳教育のさなかにおぼれたからかな、息継ぎがうまくできないんだよね。 しかも、海では水面から顔を出したまま泳がなくてはいけない。だけど、顔を出そうとするとお尻が沈み、お尻を上げようとすると顔が沈む。 ごぼごぼごぼっとたっぷり海水飲んでまたまた泣きそうになった。 仕方がないので、プールでと同じように顔を上下させながら泳ぐことにした。 遠泳の列は泳ぎの下手な順、体力のない順(山登りと一緒だな)だから、一番前を泳ぐ私は一番下手。 バレバレ。それも恥ずかしいんだ。隣の子も必死で水をかいた足でキックしてくるし。

きつかったことその3。海底に何かいる。当時から近視がとても強かったので、度つきのゴーグルをしていた。 水面では周りが良く見えて安心するのだけれど、海中では見えすぎて怖い。自分一人しかいないような錯覚も感じるし。 水深4〜50mはあるだろうか、下を向くたびに、海底からうっそうと茂る海藻がたなびいているのが見える。 それがまるでおいでおいでと言っているよう。 今にもその一端が伸びてきて私の足をつかんで海底に引きずりこむのではないかという恐怖がわいてくる。 キラッと何か光った。今のは何だ。もしかしてサメ? それともなんだかわけのわからない怪物がいるのか??  パニックになる私。まずい、混乱している。これは脳に酸素が足りてないんだ、息継ぎをしなければ・・・。

陸に上がった私は息も絶え絶え、重力が一気にのしかかり筋肉疲労のたまった足がもつれて砂浜に転んでしまった。 初めて陸上に進出した両生類はこんな感じだったんだろうか。さぞつらかっただろう。

軽く海にトラウマをつくった臨海実習だったけれど、総じて楽しかった。 遠泳後にふるまわれたお汁粉の味は今でも思い出せる。同窓生と会えば臨海の話題で盛り上がりもする。 その後、海への恐怖心をすっかり忘れてダイビングにのめりこんだ時期もあった。 ウミウシやルリスズメダイ、愛しのハコフグとの出会いも伊豆の海中。 ゴンズイの集団といきなり出くわしたときは、臨海実習での恐怖がプレイバックして心臓止まりそうになったけれど。

まぁ、自然の中で人間は小さい小さい存在でしかない。海でも、川でも、山でも、空でも。 だから、自然は恐ろしいし、美しいし、楽しい。林間学校はそういうことを思い出させてくれる行事。



《保護者の方へ》

先日行われた職業人講話に続き、10月には、次のように、文理選択のヒントになる行事を予定しています。 ご家庭でも話題にしていただき、進路について考える機会としていただければと思います。

■保護者対象進路研究会/文理選択説明会

2年次からの文系・理系の選択を行う上での注意点を説明します。 保護者対象進路研究会と合わせて、保護者の方もご参加ください。 出欠票の〆切が10月4日となっております。

■大学見学会(AB、スポーツクラス)

11月16日(水)に、大学見学会を計画しております。 希望ごとに大学を見学し、大学生活を具体的にイメージすることで、学習への意欲につながればと思います。

■サイエンスツアー

10月18日(火)に、「サイエンスツアー」を実施いたします。 東京・上野にある「国立科学博物館」に現地集合し、科学に触れる企画です。 その後、各自が研究を進め、プレゼンテーションを行います。クラスごと・学年全体での発表会も実施予定です。


10月の予定

1日(土) S:学習日
3日(月) 後期開始
8日(土) 定期考査
10日(月) 体育の日
11日(火) 定期考査
12日(水) 定期考査
15日(土) S:高大連携 サイエンスツアー説明会/保護者進路研究会 文理説明会
18日(火) AB、Sp:サイエンスツアー
21日(金) スポーツ大会
22日(土) S:学習日
26日(水) 避難訓練(7H)
29日(土) 模擬試験

編集後記

●職業人講話とか、文理選択とか、将来について考える機会が多いですね。

働くことについて、僕は次のようなことを思います。
1.「仕事=人生」。ある程度。
2.仕事を楽しんでいる人は魅力的である。
3.したがって、人はカネだけのために働くのではない。
4.でもカネ(給料とか)も重要である。
5.最近、世間でコミュニケーション力が重視されすぎ。
6.コミュ力は訓練で伸びる。
 (トビラを蹴破れ!)
7.多くの場合、いまだに就職は学歴重視。
8.だけど仕事についてからは別の力(「コミュ力」とか、「学び力」とか)が重要になる。


(福田)